お知らせ

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2026/02/10

業界の未来を拓くリーダーたち

連載企画『業界の未来を拓くリーダーたち』第2弾

「現場の声から生まれた家具で、“ワクワクする住まい”を全国へ」

KeiDesignBaseが描く、ホームステージング新時代

写真左:株式会社KeiDesignBase/株式会社Emotion. 代表取締役 川﨑 恵子氏
写真右:株式会社Emotion. マーチャンダイザー 中島 優氏

「住まい選びは、本来いちばんワクワクする買い物のはずなんです。」

そう力強く、そして楽しそうに語るのは
株式会社KeiDesignBaseおよび株式会社Emotion. 代表取締役の川﨑恵子氏。

二級建築士、インテリアコーディネーター、ホームステージャー1級という資格を持つ、多才な専門家でもある。

同社がこれまでに手掛けたホームステージングは3,000棟を超える。

現場で汗を流し続けてきたプレーヤーであり、組織を率いるリーダーでもある川﨑氏は、女性経営者としてのしなやかな視点と、現場叩き上げだからこそ持てるリアリティを武器に、ホームステージング業界の未来を切り拓こうとしている。

「ホームステージングに携わる方々は日々現場で汗をかきながら、限られた予算と時間のなかで毎回ベストを尽くしておられると思います。そんな現場で働くステージャーが、もっとラクに、もっと楽しくステージングに集中できる環境をつくっていきたいと考えています。」 その中心にあるキーワードが、同社のビジョンである「ワクワクする住まいづくり」だ。

「ワクワクする住まいづくり」という約束

共働き世帯の増加、ストレス社会、情報過多――。
川﨑氏は、現代の住まい選びを取り巻く環境を冷静に見つめる。

「条件と予算のすり合わせばかりに追われてしまうと、本来ワクワクするはずの住まい選びが、だんだん“我慢の連続”になってしまうんです。だからこそ、私たちのホームステージングは、物件に“ときめき”を取り戻す役割を担いたいと思っています。」

川﨑氏にとってホームステージングは、単なる装飾ではない。
「この空間で過ごす未来の自分」を鮮明にイメージしてもらうための「仕掛け」であり、その先に続く暮らしまで含めてデザインすることである。

だからこそ、難易度の高い間取りや一筋縄ではいかない案件ほど、社内は一気に沸く。
「自分だったらどう動く?」「ここに何があったら家事がラク?」――若手からベテランまでがフラットに意見を交わしながら、ペルソナの生活動線に寄り添った空間づくりを徹底していく。 これがKeiDesignBaseらしさだ。

「ないなら作るしかない」──3,000棟の経験が生んだ家具ブランド「Cofel」

同社の次なる挑戦が、ホームステージング専用家具ブランド「Cofel(コフェル)」だ。

きっかけは現場での苦労だった。
特に家具の搬入である。
重いソファ、エレベーターに収まらない海外製家具、時には2mの天板を12階まで担ぎ上げたこともあった。日本の住宅事情に合わない課題が山積。

家具のために人が無理をする状況に、「現場で頑張るホームステージャーの負荷を減らしたい」と川﨑氏の思いは募る。

軽量・分解可能・日本の住宅仕様で、かつ“素敵な家具”が、ない。
「ない、なら自分で作るしかない」とCofelプロジェクトが始まった。

川﨑氏は同プロジェクトを「製品ビジネス」ではなく、現場で汗を流すスタッフとお客様のための「ツールづくり」と位置づけている。

「現場で何が大変なのか」「日本の住宅に合うサイズ・構造とは何か」「どうすれば作業する人も住む人も心地よくいられるのか」。
3,000棟を超えるホームステージングの現場で培ったノウハウに加え、建築士としての知識と設計視点、現場で汗を流すスタッフのリアルな声を掛け合わせ、チームで商品開発を進めている。

「現場で『今日はCofelだから安心』と感じてもらえる家具を目指しています。」と川﨑氏。

搬入出のリスクを減らすための「軽さ」、日本の住戸寸法を前提にした「サイズ設計」、短期間での設置・撤去に耐えうる「作業性」。
それらを、ホームステージング後に実際の居住者が使っても違和感のない「生活になじむデザイン性の高い家具」として成立させている。 Cofelは、ホームステージングの現場と、その先にある暮らしの双方を見据えたブランドだ。

やわらかな曲線で仕上げたフォルムは、空間に優しい印象を与えながらふんわりと体を受け止めてくれる

現場発であり、多様な視点が交わる開発チーム

チームは「現場の課題を肌で知っているメンバー」にこだわって編成された。ホームステージングの現場担当、配送担当、インテリアコーディネーター、素材や資材に詳しい技術スタッフなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが参加。
「自分たちが本当に使いたいと思える家具」をゴールに、妥協のない議論を重ねる。

そこへ、家具メーカー出身の中島氏が加わったことで、開発はさらに加速した。
“売れる家具”の感覚を持つキーパーソンの参画により、現場の実感値と市場感覚がそれまで以上に高い次元で融合し、ステージング現場でも生活の場でも使い勝手の良いデザインを追求できる体制が整った。

中島氏は、家具メーカーで培った商品構造や品質、価格設定、販売方法に至るまでの幅広いマーケティングノウハウをCofelに惜しみなく注ぎ込み、チームのものづくりに大きな推進力をもたらしている。

例えば機能面では
・撥水・ペット対応の張地で、レンタル家具ならではの汚れの問題を軽減
・背もたれの位置を変更できるソファにより、家族それぞれの過ごし方にフィット
・置く向きを変えれば間仕切りにもなる可変性

といった工夫が随所に盛り込まれており、メンテナンスの軽減、異なるペルソナへの対応、家具による空間のゾーニングなどが実現できるようになった。

「これからの家具には、可変性や多機能性といった付加価値がますます必要になります」と、中島氏は語る。 ライフステージの変化にも柔軟に寄り添える家具づくりは、ホームステージングの思想と地続きだ。

「誰もが活躍し続ける職場」を目指すKeiDesignBaseの組織づくり

KeiDesignBaseのもう一つの特徴は、その組織文化にある。
キーワードは、バリューとしても掲げられている「誰もが活躍し続けることができる職場」だ。

ホームステージングの仕事には、建築・インテリア・精神力・体力と、多岐にわたるスキルが求められる。
だからこそ川﨑氏は、異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まる「多様性」、若手でも遠慮なく意見を言える「フラットさ」、そして失敗を学びに変える「チャレンジ歓迎」を、組織のベースに据えている。

さらに「学び続ける文化」「現場の声の尊重」「ワークライフバランス」「失敗を恐れないこと」の4つを、働く環境づくりの柱としている。

スタッフの平均年齢は20代半ばで、ホームステージング未経験で入社するメンバーも多い。

そのため、月1回の定例研修や外部パートナーとの実践的な研修、資格取得のサポートなど、教育支援制度を手厚く整備。
定期面談は「やりたいこと」を聞き、それをプロジェクト参画で形にするなど、個人と会社の成長を同時に押し上げる仕組みも整えている。

特に女性スタッフが多いからこそ、結婚・出産・育児といったライフステージの変化に合わせて働き方を調整できる柔軟性を重視している。
残業を前提にしない働き方を徹底し、「どんな変化があっても、この会社なら働き続けられる」と感じてもらえる職場を目指している。

「現場で頑張る人が、無理なく長くこの仕事を続けていけるように。Cofelの家具づくりもKeiDesignBaseの組織づくりも、その想いを軸にしています。」

そこには、経営者として、そして一人の女性として多くの転機を経験してきた川﨑氏ならではの視点が生かされている。

「成果の見える化」で、ホームステージングの価値を当たり前に

ホームステージングの重要性が広く語られるようになった一方で、今なお「予算がない」「他の販促費を優先したい」といった理由から導入に踏み切れない事業者も少なくない。

川﨑氏が次のフェーズで最も注力したいと語るのが、成果の見える化とデータ蓄積だ。

ホームステージングを実施した物件と未実施の物件。
それぞれの成約期間・価格にどれほどの差が出るのか、データを継続的に蓄積し「投資対効果の高い施策」として導入企業の予算見直しにつなげていけるよう、協会や他社とも連携しながら、業界全体で使える教育プログラムやデータ基盤を整えたいと語る。

中古住宅市場が拡大していく中で、物件の差別化に果たすホームステージングの役割は、これからさらに大きくなる。

その未来を見据え、川﨑氏は明確なビジョンを掲げる。
「日本全国で『ホームステージングをするならCofelの家具で』と言われるブランドを確立したい。」 日本の住宅やホームステージングに最適化されたノウハウは、アジア諸国にも展開できると考えており、すでに国内展開の強化に加え、海外展開に向けた準備も進めている。

現場の声から業界の未来へ

インタビューの最後に、川﨑氏は若手ステージャーに向けて、次のようなメッセージを残した。
「とにかく楽しんでください。いろんな物件を見て、いろんな空間を作り出せることを楽しんでほしい。仕事として義務的に捉えず、ひとつひとつの現場を楽しめれば、きっと長くこの仕事を続けていけると思います。」

さらに各地で活躍するステージャーへも熱く語る。
「現場で感じておられる課題や、『こうなれば良いのに』というお声を、ぜひ私たちにお寄せください。一緒に“現場目線の家具”を育てていけたら、これほど心強いことはありません。」

ホームステージングは、まだ“当たり前”とは言えないかもしれない。

しかし、「ワクワクする住まいづくり」を掲げ、その実現のために現場、組織、データとあらゆる角度からアプローチし続ける川﨑恵子氏とKeiDesignBaseの歩みは、確実に業界の未来を変えつつある。 ホームステージングへの期待が高まりつつある今、
その転換点に、Cofelというブランドと、一人の女性経営者の強い意志と覚悟を見た。

(取材・文:日本ホームステージング協会 編集部)

■KeiDesignBase株式会社について

株式会社KeiDesignBaseは、広島・岡山・山口を中心に、モデルルームのコーディネートや家具・インテリアのレンタルおよび販売、住宅設計・販売を行っている。「自分らしく」をコンセプトに、お客様一人ひとりにぴったりな自分らしい暮らしを提案している。

HP:https://keidesignbase.com/

■ホームステージング特化型家具

HP:https://cofel-online.com/

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